先日東京Aグレードオフィスの空室率が1.0%を継続し、すでに2022年度竣工予定の物件の予約契約が始まっていることが明らかとなりました。その一方で、各不動産会社が展開する多様な中規模オフィスが注目を集めています。
本日は中規模オフィス代表の一つ、野村不動産が手掛ける「PMOシリーズ」をご紹介いたします。
PMOとは・・
Premium Midsize Office(プレミアム・ミッドサイズ・オフィス)の略称で、野村不動産が手掛ける中規模オフィスビルです。首都圏でシリーズ展開をしており、基準階の面積が40坪~200坪と様々であり、大型ビルと同等の機能性とグレードを併せ持っています。
2008年にPMOシリーズ第1棟目である「PMO日本橋本町」が竣工し、昨年で10周年を迎えました。立ち上げから現在までの竣工棟数は以下のようになります。
10年間(2008年~2017年) | : 26棟/224フロア |
2年間 (2018年~2019年) | : 10棟/90フロア |
今後は年間5~6棟ペースで竣工していくとのことで、勢いのあるシリーズですね!
では、代表的な物件をみていきましょう。
住所 | : 東京都千代田区麹町2-1 |
アクセス | : 半蔵門線「半蔵門」駅 直結徒歩1分 |
有楽町線「麹町」駅 徒歩4分 | |
竣工 | : 2017年6月 |
規模 | : 地上11階、地下2階 |
基準階面積 | : 約171坪 |
◎ 駅直結の利便性の高いオフィスビルです。収容人数は約50人程度となっています。
住所 | : 東京都新宿区西新宿8-1-2 |
アクセス | : 丸ノ内線「西新宿」駅 徒歩1分 |
大江戸線「都庁前」駅 徒歩6分 | |
JR「新宿」駅 徒歩9分 | |
竣工 | : 2019年6月予定 |
規模 | : 地上13階 |
基準階面積 | : 約117坪 |
◎ 今年竣工の注目度の高い物件で、無柱空間により自由度の高いレイアウトが可能となっています。
特徴
PMOシリーズ全てに共通するのは、「上質な“働く空間”を中規模サイズで実現するオフィス」をコンセプトとして建てられています。
(1)エリアを限定した戦略
野村不動産はまず、築20以上が経過した雑居ビルの建て替えニーズに着目し、捉えることでPMOを普及させました。その際、中央区や千代田区、港区のエリアに集中させ、次いで新宿区、渋谷区などにも拡大しました。
古くからのオフィスビルのエリアに集中的に供給し、高スペックの大規模ビルが林立するエリアに開業することで、地域イメージと重ねて「PMO」というのブランドイメージを高める戦略を成功させました。
マップで見ると、エリアが集中しているのがよくわかりますね。
PMO物件マップ
(2)ワンフロア・ワンテナント設計
力のある中小規模の企業が最新鋭のオフィス環境を手に入れようとした場合、大規模オフィスビルは大きなフロア面積を有するものが多く、使いやすいものではありません。そうした企業は、セキュリティーや耐震性能に劣る古いオフィスビルで妥協せざる負えない現状でした。
そこで、同じフロアに複数テナントを置かない「ワンフロア・ワンテナント」設計を採用し、独立性・安全性の確保・セキュリティを向上させることが可能になりました。
こうした背景があり、PMOはスタートアップ企業に人気なビルとも言えます。
開放感のある無柱空間(出典:野村不動産㈱)
(3)テナント向けイベントの開催
入居者同士の横のつながりを大切にし、各種イベントを行っています。主に、新入社員研修・マネジメント研修・ファシリテーション研修などの無料セミナーや新規テナントが入居した際にはパーティーも開催されます。
様々なかたちで入居企業をサポートしています。
(4)高グレードなオフィスビル
大規模オフィスの要素として、
- 建物の存在感
- 心地良い空間
- 充実した設備グレード
- 高いセキュリティ体制
などが挙げられますが、PMOシリーズは全てを満たすグレードやスペックがあります。
1つずつ詳しくみていきましょう。
外観デザイン
PMOと言えば、全面ガラスのシンプルなデザインに黒のロゴをあしらった外観が特徴的ですね。自然光を取り込むガラスカーテンウォールは、フロア内を明るくし存在感のあるスタイリッシュな外観デザインへと印象付けています。
※ガラスカーテンウォール・・非耐力壁、重さの少ない壁のことで、建物への重さを減らすことができます。
心地良いオフィス空間へのこだわり
天井高3.5m以上のゆったりとした開放感あふれるエントランス、微かにアロマが香るロビーもPMOシリーズの魅力の1つです。共用部の間接照明、香り、使用されている素材の質感など、ホテルのインテリアを意識した造りになっており、利用者や来客に良いイメージを持ってもらえるよう演出されています。
原則1階には店舗を入れず、広いエントランスホールを確保しています。
エントランスホール(出典:野村不動産㈱)
設備グレード
専有部の設備も充実しており、
テナントのニーズに応える柔軟性あるフロア設計を実現しています。
リフレッシュコーナー・レストルーム
セキュリティ体制
エントランスから貸室内までに5段階のセキュリティラインがあり、
24時間365日体制の安全性が確保されています。
野村不動産はPMOシリーズ以外にも、高級マンションブランドのPROUD(プラウド)が有名ですね。“住み心地”をずっと考え、提供してきた野村不動産が手掛けたからこそ生まれた価値、「PMO」としてのブランド力の強さもあるのではないでしょうか。
オフィスは会社の顔とも言えますが、ブランド力があることで企業の信頼性や採用力の向上だけでなく、従業員のモチベーションアップなど様々な効果が期待できそうですね。