新宿駅は1日の乗降客が約350万人を超える国内最大のターミナルです。常にどこかで工事が行われている新宿駅ですが、構想から30年以上を経て2012年に「自由通路」の工事が始まり、2020年完成に向け進んでいます。
【 概要 】
名称 : 新宿駅東西自由通路新設
事業主体 : 新宿駅周辺地区都市再生協議会
着工 : 2012年9月
竣工 : 2020年
改札外通路の完成
新宿駅を歩いていると、西口から東口に向かうには北側を通ったらいいのか、南口まで歩いた方がいいのか、判断に迷うことがありますよね。
東西を横断する通路が少ない新宿駅で、そんな悩みを解消する工事が進行しています。改札を通らなくても東西を行き来できる「自由経路」。JR新宿駅の東口改札と西口改札の間にある北通路を現在の17メートルから25メートルへと拡幅し、改札を通路に面した場所に新たに設置する予定です。
駅構内の工事となり、終電後から始発までのわずかな時間しか作業できないため、8年かけようやく2020年の完成が近づいています。
出典:JR東日本プレスリリース
改札内に広大な空間
自由通路だけでなく、改札の中も大きく変わる見込みです。現在、JR新宿駅の地下には北通路の他に中央通路があり、この北通路と中央通路の間にある盛り土を取り除き、約3000㎡もの広大な空間を作るというのです。まずは駅の利用者がスムーズに歩ける通路を目指し、将来的には何らかの商業展開も考えられるので、品川駅などで展開している駅ナカの商業施設が新宿にできる可能性もあるようですね。
自由経路完成予想イメージ(東口側) 出典:JR東日本プレスリリース
30年来の悲願
自由通路の着工までには地元の要望があってから30年以上かかりました。なぜこれほどの時間を要したのでしょうか。JR東、新宿区、東京都によると、
「合意形成に手間取った」
「100億円を超える事業なので・・・」と費用負担を巡り議論があったようです。
また「通路の幅を巡って複数の案が出て、その検討に時間がかかった」という。通行量がさらに増える可能性に備えて40メートルに広げる案がありましたが、線路を動かす必要があるため工期・工事費が膨れ上がり現実的ではないと判断したそうです。
完成すれば人の流れに大きく影響し利便性が高まりますね。
さらに新宿駅の再開発により東西を結ぶ線路上の歩行者デッキや広場の計画が発表されています。こちらは2020年以降の整備となる予定ですが、より東西の移動がしやすい駅となりそうです。
デッキイメージ(ルミネエストから小田急百貨店方面) 出典:朝日新聞